脱ペーパードライバー:駐車の仕方①(概念)

あなたもよくわかっていらっしゃるように、自動車学校での駐車方法は実践でほとんど使えません。初心者が上手く駐車できないのも無理はありません。運転はできても駐車が苦手な人は少なからずいます。

駐車には複数のパターンがありますが、あなたが一番克服したいのは後ろ向き駐車ですよね。今回はその概念をご紹介します。一人で練習するときの参考にしてもらえれば幸いです。

前向き駐車であっても、フロントの車両感覚の不明瞭さ、出庫の際にはハンドルを切りながらバックしなければならないこともあり、必ずしも難易度が低いというわけではありません。「コンビニでの前向き駐車」はこちらからどうぞ

縦列駐車(駐車の仕方③「縦列駐車」)というのもありますが、これは職業ドライバーでも上手くできない人がいるほど難易度が高い駐車方法です。とは言うものの、実はコツをつかめばそれほどでもありません。ただ、練習する場所の確保が容易ではないことや、そもそもその技術を利用する機会も少なく、熱心に練習する必要性に少し欠けます。運転そのものに慣れてから、もしくは必要に迫られてからでも良いと思います。

後ろ向き駐車は、左右どちらのスペースに駐車するのかによって車内からの見え方が違うので、どちらも練習して上手く止められるようにならなければなりません。左側に駐車する方が少し難しいかもしれません。

まず、身もふたもないのですが、やっぱり繰り返し練習するのが一番の早道であることは最初に言っておきたいと思います。慣れれば、なんでこんな簡単ことができなかったのかと思うほど、実は何でもないことです。初心者のあなたでも、熟練ドライバーの私と同じレベルで駐車できるようになります。

よく言われることに、ハンドルをどっちに切ったらいいのかわからないというのがあります。タイヤがどっちに向いているのかわからなくなっちゃったというのもあります。

実は、タイヤの向きなんてわからなくてもいいというのが本当のところです。いや、おおよそわかってはいますが、意識していません。前に進むときにタイヤの向きをいちいち気にしていないのと同じです。

バック駐車では、車の後部が向かう先を意識してハンドル操作をしています。

バック駐車は、ドアミラーを見て車の後部が最終的に収まる場所を狙ってハンドルを操作するのが基本です。

※ドアやウィンドウを開けて後ろを振り返って駐車する人も一定数います。後部が収まるところを狙ってバックしているのは同じなのですが、やはり多くの人がほぼドアミラーだけを使って駐車しています。左右反対に映る鏡像に慣れてしまえば、その方が手間がかかりません。

後輪は舵が効かないため、後部は横方向への大きな移動が苦手です。なのでそこに注力する必要があるのです。

そして、前タイヤが少しでもどちらかに向いていれば、車は必ず弧を描きながらバックするので、弧の最終地点(未来)を予測しながら丁寧にハンドル操作をしていきます。弧を描くということは、直線的に目標に向かうことは難しいということを理解しておくことも大切です。

後部が収まる場所を狙っていくためには、ハンドルを切った車がバックするときの動きを理解するのも有効です。

どっちにハンドルを切ったら、”車の後ろ”はどっちへ向かうかということです。

実際には誰もが言うように、右へ行きたければ右に回す、左に行きたければ左というのが正解なのですが、慣れない人には今一つ感覚がつかめません。私も自動車学校で言われた覚えがありますが、当時は???でした。右に回してバックすると、頭(前部)は左に振るので頭がこんがらがってしまうのです。

フォークリフトのような後輪で舵を取るような車両を数時間も運転していたらすぐに感覚をつかめるのですが、現実的ではありません。フォークリフトの代わりに自転車を利用するのがいいかもしれません。自転車の前輪と後輪を車の左右どちらかの前後輪に見立てて、実際に自転車を後ろ向きに動かして見ると、前タイヤの向きによる車の動き方(後ろへの進み方)がよくわかります。

この時自転車は傾けないでください。また、自転車の前輪は自動車より切れ角が大きいのでそのあたりも考慮してください。

自転車をバックさせながらハンドルを左に切ると、自転車は右を向き、後部は左に向かいます。前部は大きく横に振れますが、後部はそうなりません。実際の車では、タイヤの向きを意識することなく、どちらにハンドルを切るのかを意識することになります。タイヤの向きは車内からは見えないですからね。理屈を理解したら、後はドアミラーの反対に映る鏡像に慣れるだけです。

話は戻りますが、車は少しでも動かしてみると、進む方向がわかります。方向がわかればハンドルをどっちに切ったら良いのかがわかります。止まったままでは、どちらに切ったらいいのかわからないのです。もうすでにハンドル(タイヤの向き)は正しい位置になっているかもしれませんからね。

練習を繰り返すことで、やがて納得できる瞬間が訪れます。最初のうちは多少斜めになっても気にしない。微調整は後からでもできます。駐車上達の本質はそこにはありません。もちろん、上手くなった暁にはきれいに駐車することをお勧めします。

もし実地で教えてくれる人がいるのなら、車外からではなく、助手席から指導してもらった方が上達が早いです。ときどき車外から、もっと右(左)に切ってとかやっているのを見ますが、運転手本人は???状態のことがほとんどですからね。

個人差はありますが、正しい方法で数時間も練習すれば、ほとんどの人が日常困らない程度までには上達します。ただそれでも、狭い駐車場などは特別に注意や技術が必要になることもあります。慣れた人でも柱や縁石の角に接触させてしまうことはよくある話です。もちろん、周囲の人や車にも注意するのは言うまでもないことです。

駐車は技術です。理屈を理解して繰り返し行えば、短期間で上達できます。私はよく楽器演奏に例えますが、そんなに高等技術ではありません。あきらめずに頑張ってください。

追記:お客様よりご質問を受けました。

ドアミラーを見てバック駐車しなくても、バックモニターを見ればいいのではないか。

最近の車にはバックカメラが付いていて、モニターで後方を確認することができます。モニターには誘導ラインが映っていて、これだけで駐車できそうですが、カメラは後方だけしか映していません。(アラウンドビューモニター※を除きます)真っ直ぐバックするには問題ないかもしれませんが、斜めの状態からカーブを描くようにバックする場合には側面がちょっと心配です。特に柱や壁があるような駐車場ではドアミラーでの確認が欠かせません。

※車の周り360度の映像を俯瞰的にモニターで確認できるシステムです。安全のためには、アラウンドビューであっても自分の眼で周りを確認してください。

普通に駐車できる人は、主にドアミラーを見て駐車しています。その方が安全、かつスピーディーに駐車できるからです。バックモニターは障害物の有無とどこまで下がれるかを確認するために使われることが多いです。

是非、バックモニターだけを頼ることなく、あらゆる場面で応用の利く、ミラーをメインとした駐車をマスターしてほしいと思います。

ちなみに、駐車が上手くできない人は、バックモニターがあっても上手くいかないことが多いです。

車によっては、完全に自動で駐車してくれるのもあるようですが、全車種に普及するにはまだ時間がかかりそうですね。

よろしければ、今回の記事を具体的に説明した「駐車の仕方②(真ん中に真っ直ぐのバック駐車)」も併せてご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ

Follow me!

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です