狭い通路での駐車の仕方⑤
「駐車の仕方(完全版)」を理解された方へ、次のステップとして、駐車スペースの前が狭い場合の方法を解説します。最後に、他の特殊な状況での駐車方法も掲載してありますので、あわせてご覧ください。
※この記事も投稿後に閲覧件数が伸びています。同じような悩みを抱えている方がいかに多いかがよくわかります。少しでも参考になれば幸いです。
ここでいう「狭い」とは、駐車スペースではなくその前の通路や道路の幅を指します。例えば、前の道が狭い自宅車庫やマンション駐車場の通路が狭い場合などです。ポイントは2つです。
①斜めに傾ける精度を上げる
車をできるだけ大きな角度で斜めに進め、前輪の右前角と後輪の左後角を意識して寄せること。
②必要に応じて調整
一度で駐車が決められない場合は、途中で前進して位置を修正し、再度駐車を試みます。
今回もすべて左に駐車する場合で進めます。
①斜めに進み始める位置
まず、第一前提である「左に寄せながら侵入し、できるだけ大きな角度で斜めに車を運び、同時にドアミラーの中で角と角を寄せる」というのは前回の記事と変わりありません。
では具体的に見ていきましょう。
狭い通路では斜めに進む移動距離が短くなります。通路の幅を最大限活用するために、斜めに進む直前までの直進でより前に進んでからハンドルを切るのがポイントです。
運転席から見た時の感覚としては、クルマの前部が右へ寄っていく横幅が、車の左後部の角あたりが駐車スペースの角に到達するまでの距離と同じになるように車を真っすぐ前進させることになります。前の通路が狭いほど、より前進してから斜めに進むことになります。車の左後部がどのあたりになっているかを推測する必要がありますが、おおよそで結構です。
この時点(斜め右に進み始める前)では右に傾いていないことが大切です。右に傾いていると、その分手前から斜めに進み始めたことになってしまうので上手くいきません。
下の写真で赤い矢印の長さが同じくらいになるように直進してから右に傾けていきます。道幅の分だけ斜め右に進んだら、左後ろの角がちょうど黒い車の右前の角(駐車スペースの角)に寄せられているといったイメージです。
実際に同じ長さが正解かどうかわかりませんが、イメージ的にはそんな感じがちょうど良いようです。
もちろん、細かいことを言えば、ハンドルを回す速さや進む速さによって変わります。きっと適正な数値があるのでしょうが、興味のある人は計算してみてください。

これで、車の右前の角と左後ろの角の両方が理想の状態になります(下の写真)。つまり、左後ろの寄せと、出来るだけ右斜めに角度を付けるという二つのことを同時に満たしたことになります。あとは、いつものように下がっていくだけです。

慣れてくると、特に上記のようなことを考えることなく、感覚的に上記二つの赤〇を同時に満たすことができるようになります。何度も練習してみてください。
②必要に応じて駐車しなおす
上記のように理想の状態に車を斜めにできたとしても、通路が狭すぎて斜めの角度が十分にとれない場合は一度では駐車できません。途中で一旦前進して態勢を立て直す必要があります。
しかし、少しでも下がったことによって、前の狭い通路が下がった分だけ広くなったと言えます。そして、再度前進することで斜めへの角度を大きくすることができます。
一旦前に進んでやりなおすときには、大きく角度を取るのと同時に、サイドミラーを見ながらできるだけ駐車スペースの中央にもっていくことを意識してください。ただ下がってきたところをなぞるように前進しては意味がありません。必要ならば何度か修正を繰り返します。
下の写真の例では、前に出るときは、左に切っていたハンドルを素早く右に切り。さらに、また下がるときは素早く左に切ることになります。かなり忙しいです。

狭い通路での駐車方法は以上になります。
実際にはいろんなイレギュラーな状況が少なくありません。よくある2つの例を以下に載せておきますので、よろしければご覧ください。
その他のシチュエーション(参考例)
手前の車が飛び出ている場合(前の通路が狭い)
下の写真のように手前の車が邪魔になって上手く右に寄せられないような場合は、右の黒の車から少し離れたところから、オレンジの矢印のように、一旦斜め右に向かってから左斜めにしていきます。

下の写真の赤丸部分の接触には要注意です。しかし、ここをかすめるように進んで行くと上手くいきます。

最終的には、下の写真のように、やはり右後ろの角を寄せて、左に大きく角度を付けるのが理想です。

奥行きがほとんどない場合
駐車位置が一番奥にあり、スペースより奥に斜めに進むことができない場合は、下の写真のように、かなり手前から斜めに進むことで上手く駐車できます。今回のテーマの「前が狭い場合」の逆となります。つまり、右へ移動できる幅の分だけ、手前から斜めに進むという理屈になります。


ただし、右側に大きなスペースがなく、下の写真のあたりまで斜めにすることができない場合には、最初からバックで入っていくしかありません。
上記以外にも、どのように駐車したらよいか、頭の中で車の動きを考えながらシミュレーションしないといけない場面はあります。ちょっとしたパズルを解くような感じですが、それもまた面白いかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ