脱ペーパードライバー:駐車の仕方④(コンビニの駐車)

駐車の仕方は「縦列駐車編」で終わりだと思っていましたが、コンビニの駐車を練習したいというお客様は少なくなく、あらためて記事にすることにしました。

実際、この記事も多くの人に読まれていて、その関心の高さを再認識しました。

コンビニの駐車は多くが前向きに駐車します。一般的に前向き駐車は、バック駐車より簡単に思えます。実際、真っ直ぐ前向きに駐車するだけなら簡単と言えるでしょう。ですが、コンビニでの前向き駐車にはそれなりの難しさや注意すべきことがあります。

私の行動範囲内での話ですが、コンビニの駐車場は比較的横幅が広く取ってあるので、1台当たりのスペースとしては余裕があると感じています。

ですが、道路からコンビニに入る出入口は、斜めに出入りする2台の車がそこで容易にすれ違えないほど、決して広くないことが少なくありません。出ようとする車があるときに、入る側が待機して道を譲る場面を実際によく見かけます。

道路から駐車スペースまでが近いような所では、状況によっては内輪差に注意しながら駐車しなければならないこともあります。

初心者のあなたも内輪差には十分注意されていると思いますが、道路と違って、目印となるラインは駐車スペースの区画ラインだけです。なので、どれだけ余裕をもって曲がればいいのかが意外とわかりにくいかもしれません。

下の写真のような状況では、少し大げさなくらい大きく左に離れたところから直角に曲がって、駐車スペースにはできるだけ真っ直ぐに向かうようにします。あるいは一旦反対方向(左方向)に向かってから鋭角に進むこともあります。このあたりの感覚は実際にやってみないとわかりづらいかもしれません。

下の写真のように右斜め真っ直ぐに進んで駐車するなら、自車のフロントの左前の角が左隣の白い車にぶつからないように、また内輪差で右の車にぶつからないように注意が必要です。それでも、このまま進めば結果的に斜めに駐車することになるでしょう。ひょっとしたら駐車できないかもしれません。

下がってくる車にも要注意

さらに駐車スペースに近づくと、車体によって境界線が見えなくなってきます。これが、真ん中に真っ直ぐ駐車するのを難しくする要因となっています。しかし、多くのドライバーは、境界線が見えている間に、このまま進めば真っ直ぐ真ん中に駐車できると判断しています。見えなくなった後は、あまり気にせずにそのまま進めることが多いです。

その他の注意点として、先に駐車している車のバックランプが点灯したら要警戒です。突然下がってくることがあります。上の写真のように斜めに侵入するときは特に要注意です。

また、前向き駐車は簡単だと言わんばかりに、素早く駐車しようとすると、先に駐車していた車のドアがいきなり開くこともあります。これはコンビニに限りませんが、勢いよく入ってくる車をときどき見かけます。あなたがそうならないようにご注意ください。

なんとか前向き駐車がクリアできたとしても、出ていくときは狭いスペースをバックするような難易度の高い運転を強いられることもあります。

駐車するときは隣に車がいなかったのに、帰るときには両隣に車が駐車されていたなんてこともあります。駐車が苦手な人には少し難易度が高い場面かもしれません。

”行きは良い々帰りは恐い”ということで、次にバックで出るときの注意点です。

コンビニでの前向き駐車の一番大きなハードルは、やはりバックで出るときです。

交差点などの角にあるコンビニには、面する二つの道路にそれぞれ出入り口があることが少なくありません。行き先によっては必ずしも入ってきた入り口から出るとは限りません。帰りはどの出口を使うのかに応じて、その導線を考えることも大切です。

導線を考える際に大切なことを一つ。下の写真はバックで出る状況ではありませんが、写真の左には交差点があります。交通量の多い道路の場合、この出口から右折するのは難しいかもしれません。

左の信号が赤になり、右から来るクルマが止まって道を開けてくれたとしても、青信号で左折してきた、あるいは右折してきた車が来れば右折できません。そうこうしているうちに赤信号が青になって、やはり左からは車がやってきます。道を開けてくれた車も、あなたが右折できないとわかって先に進み出します。

交通量によっては、いつまでたっても右折できないことになります。こんな出口は左折して出ていくほうが無難です。

交通量によっては、この出口から右折するのは難しいかも

少し話がそれましたが、多くの場合、前向き駐車した場合には、バックで向きを変えて出ていくことになります。下の写真のオレンジラインがまさしくそのパターンです。狭いスペースのなかでバックしながら向きを変える場面は決して少なくありません。

一番右に前向き駐車した場合、状況に応じて、緑か橙のラインのように方向転換します(引用元:Google社)

そんな場面では、今度は外輪差に注意です。バックの時は、車の前部はハンドルを切った反対方向に寄って行きます。隣に車が駐車されている場合は、ハンドルを切るタイミングと方向を間違えるとぶつけてしまいます。隣の車にはもうぶつからないと思うところまでは、ほぼ真っ直ぐに下がるのが良いでしょう。

注意すべきことはそれだけではありません。あなたがバックで出ようとしているちょうどそのときに、他の車が同時にバックで出ようとしているかもしれません。あるいは新たに入ってくる車がいるかもしれません。

このような場合、角度的にミラーに映らないことがあります。目視したとしても、運転席が前なので後ろを横切る車が見えにくい状況です。ミラーだけに頼らず、いつも以上に広範囲を目視する、ゆっくりとバックするなどの十分な注意が必要です。

バックで出るとき、後ろを横切る車がよくわかりません

最近はあまり聞きませんが、そういったバックで出る車を狙って自転車などでぶつかってくる当たり屋がいたこともありました。一時期、報道番組でも取り上げられていましたが今でもいないとは限りません。要注意です。

もし、あなたの車にバックモニターが付いているのなら、大いに活用してください。そのほかにも、コンビニの大きなウィンドウを大きな鏡として利用することも有効です。前向き駐車しているなら、ウィンドウに映るあなたの車の周りの様子をうかがうことができるかもしれません。

コンビニは前向き駐車でなければならないという決まりはありません。余裕があれば後ろ向き駐車してもいいと思います。ただし、お店の入り口近くや外で喫煙している人に排気ガスを浴びせるような場所ではやめておきます。

下の写真のような、歩道にわずかな傾斜や段差がある場所でバック駐車をする際、アクセルを軽く踏まないと車が動かないことがあります。こうした状況では、アクセルとブレーキの操作を慎重に行うことが大切です。アクセルを適度に踏み込み、すぐに足を離して車を惰性で後退させます。その際、足は即座にブレーキペダルに移動させ、必要な時にすぐにブレーキをかけられるように準備しておく操作が求められます。

前向き駐車なら、写真の場合、出るときは道路まで下がって方向転換、歩道の通行者にも要注意(引用元:Google社)

アクセルとブレーキを踏み間違えてコンビニに突っ込んでいる車の映像をテレビのニュースなどでよく目にします。ニュースではあまり取り上げられませんが、ペダルの踏み間違いは決して高齢者だけのことではありません。免許取得後間もない二十歳前後の人にもよくあることです。上記のように段差がある場合には特に注意が必要です。

コンビニの駐車と言っても、トラックが何台も駐車できるような大きな駐車場なら上記のような心配はあまりないかもしれませんが、道路から入ってすぐに駐車スペースになっているようなところでは十分に注意しなければなりません。もちろん、コンビニに限らず車の陰から人の飛出しに注意するのは言うまでもありません。

「駐車場は事故多発地帯」で紹介した内容と重複する部分も少なくありませんが、狭いコンビニの駐車場ならではの注意点やコツを取り上げました。参考になさってください。

「駐車のコツ」シリーズはこちらでご覧いただけます。よろしければどうぞ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ

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