脱ペーパードライバー:急ブレーキを踏まない方法
職場で運転管理をしているときの話ですが、営業車に取り付けられているGPSが内蔵された装置によって、運転状況の把握が可能でした。スピード超過、急ブレーキと急発進の度合いが毎日メールで確認することができました。
私が特に気にしていたのが急ブレーキの度合いでした。その度合いはG(マイナスの加速度)で表されます。 おおむね0.5G以上の数値を注目していましたが、よく急ブレーキを踏む運転手はある程度決まっていました。その中には熟練ドライバーもいましたが、ほとんどはペーパードライバーのような運転が苦手な人でした。
おそらく、熟練ドライバーの場合は癖や習慣からくるものだと思われますが、未熟な人の場合はブレーキ操作に不慣れなことや、予測運転ができていないことが原因だと思われます。予測運転をするためには、近くも遠くも見ながら運転する必要がありますが、遠くを見るのが少し苦手なようです。
急ブレーキの多いドライバーにヒアリングをしたことがあるのですが、急ブレーキをかけた認識がない人が少なからずいることがわかりました。逆に、どの程度が急ブレーキなのですかと質問されました。
一つの方法として、助手席の背もたれにわずかに斜めに立てかけたビジネス鞄が倒れないような運転を心がければ、急ブレーキにはならないというのがあります。ただし、運転中にあまり鞄に気を取られ過ぎてもいけないので、倒れたか倒れないかの結果だけで判断するというのもいいかもしれません。残念ながら私が考えた方法ではありませんが。
もちろん、突然の飛び出しなど、思い切りブレーキを踏まなければならないときもあります。初心者の中には、怖くて思い切りブレーキを踏むことができない人もいます。自動車学校でその体験をしたらいいのにと思いますが、どこかの自動車学校では取り入れているのでしょうか。
現在はほとんどのクルマにアンチロックブレーキシステム(ABS)※が付いているので、思い切り強くブレーキを踏んでもタイヤがロックしてハンドルが利かなくなることはありません。いざという時は、安心して思い切りブレーキを踏んでください。運が良ければ最短距離で停止することができ、衝突を免れるかもしれません。
※ABS=強く急ブレーキを踏んだ場合、タイヤの回転が完全に止まり滑走状態になることでハンドルが利かなくなり、さらには制動距離が長くなる恐れもあり、それを防ぐために路面状況に応じてコンピュータが断続的にブレーキを解除し、制動力を維持しながらハンドル操作を可能とするシステムです。
ちょっと話がそれましたが、普段から急ブレーキにならない運転を心がけることが安全運転につながります。急ブレーキにならないためには、スピードを抑えて予測運転することが大切です。
予測運転のためには、どこにどんな危険が潜んでいるかをあらかじめ学習しておくことも大切です。「お役立ち情報」の中でもいろいろとご紹介していますので、よろしければご覧になってください。
私は、免許を取ってからかなりの長い間、意図的に急ブレーキ・急発進を繰り返すような運転をしていたので、何十年たってもその癖はなかなか治りませんでした。でもその都度意識しながら運転することで、今ではそのようなことは無くなりました。あなたには是非最初から意識して習慣にしてほしいと思います。
追記
運転初心者の中には、たとえ前方で停止が必要な状況であっても、例えば交差点の信号が赤であったり、前の車がブレーキを踏んでいたり、すでに停止していたりする場合でも、なかなかアクセルを戻そうとせず、かなり近づいてからようやくブレーキを踏む方が少なくありません。
おそらく、これは前方の状況を十分に確認できていないか、アクセルを離しても惰性で走るという感覚がまだ身についていないためだと考えられます。そこで私は、「前の車がブレーキを踏んだら、つまりストップランプが点灯したのを見たら、まずは即座にアクセルから足を離すように」と指導しています。
これは、万が一前の車が急ブレーキをかけたときの安全対策なのですが、この動作を繰り返すことで、自然と惰性走行の感覚も身についていきます。最初はアクセルを戻すのを忘れてしまうこともありますが、続けるうちに次第に上手にできるようになっていきます。ぜひ一度、試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ