脱ペーパードライバー:山道の安全な走り方①
キャンプに行ったり、山登りに行くときには山道を走ることがよくあると思います。私もアウトドアが大好きなので、よく山道を走ります。
山道と一概に言っても、センターラインやガードレールがしっかりと整備されている道路から、そうでもない狭い道路まで様々ですが、今回は、一般的なしっかりと整備されている山道の走り方をお伝えしたいと思います。
山道なので当然上り下りがあり、そして多くは曲がりくねっています。一般道路とはまた違った難しさと楽しさもあります。
特に注意したいのは、下りで先の見通しの悪いカーブです。下りは慣性が働いて制動距離が長くなります。先の見通せないところでは対向車が突然現れることも少なくありません。そんな思うように止まれない状況では、事故のリスクが高いのは言うまでもありません。万が一、対向車が目の前に現れても対処できるように、特にカーブの手前では十分にスピードを落とす必要があります。ここでも、”見えないものは信じない”の精神が大切になります。
特に左カーブの場合は、対向車がショートカットしようとしてセンターラインをはみ出して向かってくることが少なくありません。また、カーブしている方向が山側の場合は、右カーブ以上に先の見通しが悪い場合が多いので注意が必要です。
下りは、慣性が働いて制動距離が延びるということをお伝えしましたが、その対策としては、フットブレーキによる減速のほかにもう一つあります。それは、ギアのシフトダウンです。エンジンブレーキですね。
通常Dドライブで走行しているはずですが、下り勾配の強い坂道では、もう一段階下のギアに落とすことをお勧めします。O/B(オーバードライブ)スイッチがある場合は、まずはOFF※にしてみましょう。スイッチを押した瞬間にエンジンブレーキが効くのがわかります。とっさのブレーキ操作の時も、コンマ何秒の差が制動距離の差につながります。ブレーキを踏んだときも、よりしっかりと減速する感じがよくわかると思います。
※オーバードライブオフ:シフトレバーにオン・オフできる押込み式の小さなスイッチがあり、オフにする(押下する)とトップギアの一段下のギアにシフトされます。メーターパネルに「O/B OFF」と表示される。解除する場合は再度スイッチを押下する。通常はオンの状態で走ります。この機能がない車種もあります。
長い下り坂では、フットブレーキを多用することによって起きる「フェード現象」※1や「ベーパーロック現象」※2もこのシフトダウンが防いでくれます。この辺りは自動車学校で勉強しましたね。
※1フェード現象:ブレーキ時にブレーキパッド(摩擦材)が熱変化を起こすことで本来の性能を発揮できなくなり、ブレーキが効かなくなる現象、
※2ベーパーロック現象:ブレーキ時の摩擦熱の発生によりブレーキオイルの中に「気泡」が生じ、ブレーキが効きにくくなる現象
少しエンジンの回転数が上がって音が大きくなりますが、安全には変えられません。また、下り坂でのシフトダウンによって、エンジンの回転数が上がると燃費も悪くなると思いがちですが、アクセルを踏んでいなければガソリンは減らないというクルマがほとんどです。積極的にシフトダウンしたいものですね。
今回は、特に危険な下りについてお伝えしました。その他にも気を付けることや、楽しく走るためのコツもありますので、またあらためてご紹介したいと思います。お楽しみに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ