脱ペーパードライバー:右折が怖い「右直事故」②
私が遭遇した今回の事例をご紹介します。
ある信号のある交差点での出来事です。以前にも交差点での右直事故については少し説明したことがありますが、その交差点は少し変則的で、右折の際に、道路の中央に位置する高架の柱が邪魔をして、対向車がよく見通せません。
これは、あなたが右折待ちのとき、対向車線に同じように右折待ちのクルマがいると、そのクルマが邪魔になって直進してくるクルマがよく見えないのとよく似ています。今回はそれ以上に対向車線が見通せない場面です。 そんな交差点にもかかわらず、右折専用の青矢印がでる信号機にはなっていませんでした。
そんな交差点で右折を待っているときは、このまま信号が赤になる直前まで待とうか、いっそ赤になるまで待とうか、もう少しクルマの鼻先を出して、対向車に右折車(自分)がいることを知らせようか、なにかと迷います。
そのときは、ぎりぎりまでクルマの鼻先を反対車線に出して、尚且つフロントウィンドウに顔を近づけて、対向車を覗き込むようにしたのですが、それでも完全に対向車を見通すことはできませんでした。 そうこうしているうちに信号が黄色に変わり、そして赤信号になりました。
その瞬間です。ダンプカーが赤信号で侵入してきたのです。いつもなら、自分の側の信号機が赤になった瞬間に、もう対向車は来ないだろうと思い、おそらく右折を開始していたと思います。
しかし、この時もし右折を開始していたら、間違いなく大事故になっていたと思います。相手がダンプカーなので、ひょっとしたら命をなくしていたかもしれません。
実は今回、赤信号になっても右折を開始しなかった理由があるのです。それは、反対車線の沿道にある建物のウィンドウにトラックが通過するのが映っていたからです。
見えたといっても、ほんの瞬間のことです。見落としていたなら、右折を思いとどまったかどうか自信はありません。見落としていなくても、そのトラックが信号無視をするとは普通は考えないところです。
もちろん、そんな状況で事故になった場合、悪いのは信号を無視したダンプであるのは間違いありません。右折待ちのドライバーが事故を避けきれなかったとしてもやむを得ません。しかし、痛い思いをするのは自分です。命を落とさないまでも、一旦事故となれば後々なにかと面倒なことが発生します。
今回あなたに伝えたいことは、「反対車線にある建物のウィンドウにも注意してください」ということではありません。もちろんその余裕があればそれに越したことはありません。
本当に伝えたいことは、原則として目に見えないものは信用しないということです。例外的には、たとえば、よくある見通しの悪い踏切では踏切警報器に従うしかないという場合もあります。
まだまだ、運転の主役は人間です。人間の行動はAIロボットのようにはいきません。うっかりすることもあります。今回のダンプの運転手のように赤信号でも交差点に進入してくることもあります。
どんなに気を付けても、事故は起きるときには起きます。それでも少しでも事故に遭遇しないためには、「人間はミスをする」ということを大前提に運転しなければなりません。
そう考えることで、事故にあう確率は大きく減ります。長い年月に渡って事故の経験がない人ほど、事故なんてよほどのことがない限り起きないと思いがちです。
そのような考えに至らないためにも、今後どれだけ無事故の期間が長くなっても常に謙虚で、危険はいつも身近にあることを忘れないことです。あなたには生涯にわたって事故にあってほしくはありません。それは私への教訓でもあります。
「お役立ち情報」では、これまで以上に具体的な注意ポイントも順次お伝えしていきます。是非参考にしていただいて、あなたの安全運転に役立てていただければ幸いです。
「右折が怖い、右直事故を防ぐ①」・「安全な左折の仕方」も併せてご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ