脱初心者:事故を起こさないための予測運転①(対クルマ)
これから運転を覚えようとしているあなたに事故の話はプレッシャーになるかもしれませんが、何度も言っていることですが、危険はいつも身近なものです。これはあなたがどんなに運転が上手くなっても、今の交通システムのままでは今後も事故は無くなりません。
なので、運転が上手くなったら事故は起きないといった幻想は最初から捨ててください。現実には、大きな事故は初心者よりベテランの人の割合が圧倒的に多いのです。初心者が大きな事故を起こさないという意味ではありません。初心者が死亡事故に関わっている率も決して小さくはありません。
もちろん、事故を起こすかもしれない人の対象の中には私も含まれています。なので私自身のためにも、これまでに経験したことや学んだことから事例や対策を整理して、あなたと共有することで、少しでも事故を起こす確率を小さくしたいと思っています。
事故の一番の原因は、ヒューマンエラーです。全体のほぼ9割と言われています。ヒューマンエラーをなくせば、事故は減りますが、人間はミスをする生き物です。完全に自動運転になり、人が運転にかかわらないようになるまで、ゼロにはなりません。
しかし、エラーを少なくすることはできます。その方法とは、常に悪い状況を予測することです。一般的には「かもしれない運転」といわれるものです。
予測する能力は経験が大きく影響します。しかし、経験の少ない人であっても、ある程度の知識を得ることで、安全のレベルはかなり上がります。
これから3回に分けて、具体的にどのような場面で、どのように予測するのかを述べていきます。今回は、車両どうしの場合をご紹介します。
車両どうしの大きな事故は出合い頭で起きています。交差点で一番多いのは追突事故ですが、死亡事故に限ると出合い頭事故が一番となります。出合い頭と言いましたが、信号機のある大きな交差点から、狭い道路に交差する一時停止の標識があるだけの道路まで様々です。しかし実際は、そんな優先があるにもかかわらず、事故は起きています。
「信号機がある交差点」
信号の変わり目が一番危険です。その他にも、右折時に対向車を見落としたり、対向車のスピードと距離を見誤り衝突することもよくあります。ここでも、悪いほうに予測する必要があります。
①信号の変わり目では、赤になっても交差点に進入するクルマがいるかもしれない
②右直事故※になるかもしれない
※交差点での右折車と直進車との衝突事故
③見えないものは信じない、右折車の陰から対向車が飛び出してくるかもしれない
「狭い道の信号機のない交差点」
見通しの良い場合とそうでない場合があります。見通しの悪い交差点には大抵の場合カーブミラーが設置されています。優先道路を走っていても、交差点に差し掛かる直前にカーブミラーをちらっと見ることで、万が一に備えることができます。
カーブミラーに車が映っていたら、出てくるかもしれないと予測します。状況によっては減速します。あなたが優先なら停止する必要はありませんが、予測して注意していれば、万が一そのクルマがうっかり飛び出してきても、被害を小さくすることができます。実際この手の事故は決して少なくありません。
また、見通しの悪い交差点を通過するときには、あらかじめブレーキペダルに足を移しておくことも大切です。万が一の時に少しでも空走距離※を減らすことができます。見通しがよい交差点でも、相手はこちらの存在に気が付いていないことがあります。気が付いていても、自分が優先と勘違いしている人もいます。脇道から接近するクルマの存在を認識したら、いつでも止まれる態勢をとりましょう。
※ブレーキを操作しようとしてから実際に動作するまでの距離
こちらが優先であっても、優先でない道路からクルマが飛び出してくるかもしれないと予測する。
大局的な内容になってしまいましたが、いろんな場面で応用が利きます。運転年数が長い人でも、上手く予測できていない人が少なからずいます。
まだ運転になれていないあなたには少しハードルが高いかもしれませんが、最初から習慣にすれば一生ものになります。しかしながら重要なポイントです。覚えておきましょう。
次回は、歩行者に対しての予測運転をご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ