無意識に左に寄っていくのを直す方法
おかげさまで、現在当ホームページで2番目に人気の記事となっています!
※以前に自分の体が右寄りを走るようにすると良いという記事を紹介しましたが、ある意識をすることで大きな効果が得られたため、以前の記事を加筆・訂正しました。
レッスンでも左に寄っていく人は多いです。寄り過ぎたときはもちろん指摘しますが、それが繰り返されるようなときは以下のようなアドバイスをしています。是非参考にしてみてください。
運転経験が少ない人で、走り出してしばらくはいいのですが、そのうち徐々に左の方へ寄っていく人がいます。それもはみ出しそうなほどに、接触しそうなほどにです。本人に聞いてもその理由は様々で、なんとなくとか、無意識のうちにとか、ついうっかりしてとか、あるいは車幅がわからないとかいう答えが返ってきます。
車幅がわからないからという人も、もちろんわかっていないのですが、車幅感覚以外にも原因があることが少なくありません。
これを直す方法は一つ、身も蓋もないことですが、意識して道路の右寄り(センターライン寄り)を走るようにするしかありません。
意識するだけで直るなら苦労は要らないという声が聞こえてきそうですね。ページを閉じないでもう少しお付き合いください。
特に後半の「オススメ!」は、多くの人が大きな効果を実感しています。
運転経験が少ない人にとっては、自分が運転している席の横に大きなスペースがあるという状況が非日常であるということが片寄って走る大きな原因の一つとなっているようです。
どういうことか、例を挙げて説明します。
よくある原因として、運転経験の少ない人が真ん中を走るつもりが、次第に自分が右のシートに座っているという感覚が薄れてきて、自分自身の体を車線(左車線)の真ん中に持ってきてしまうというのがあります。
他にもこんな例があります。日本では、車は右ハンドルで左側を走りますが、いきなり左ハンドルの車を運転すると、最初は車線の真ん中を走っているのですが、しばらくすると知らないうちに右に寄っていくことが少なくありません。ずっと右ハンドルだったので、自分の体の位置がセンターライン寄りにあるのが当たり前になっているからなんですね。
そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、実は私にも経験があるのでよくわかります。数時間意識して走っていたら、その癖は出なくなりましたけどね。
運転経験の少ない人が左に寄り始めるのは、同乗者と話をしているとき、交差点を右左折した直後、真っ直ぐ単調な道路を走っているときによく起きています。ときには、対向車とすれ違うときに対向車に集中しすぎて、左側がはみ出すことを忘れてしまっているかのように左に寄っていく人もいます。こちらは別の記事「対向車とすれ違うのが怖くて左に寄り過ぎてしまう」で少し違った観点で説明しています。
これらのことは、運転席が中央に位置する、自身の体の大きさに近いバイクのような車両なら起きないような現象だとも言えます。
運転経験の少ない人は、何らかの理由で集中が途切れる、あるいは集中の対象が他に移ることで、これまでの習慣が優勢になって非日常である車体の横幅(自分の左側の幅)の存在を忘れてしまうようです。
車は運転席が右にある(右ハンドルの場合)大きな箱です。
片寄りを直すには、やはり習慣化するまで車の横幅を意識して走るしかありません。言い換えれば、自分自身ではなく、横幅のある大きな箱が道路(左側通行なので左車線)の中央を進むことを意識しながら運転するということです。
先ほど”そんなことで直るなら苦労は要らないと聞こえてきそう”と書きましたが、習慣化するまでは少し苦労が必要です。
個人差があるので、どれだけ意識して走ったら習慣化するのかは一概には言えません。しかし、なぜ左に寄っていくのかがわかっていれば、意識の仕方や度合いが変わってきます。
すべての人に当てはまるかどうかわかりませんが、心当たりのある人は、それが当たり前になるまで、大きな箱を動かしていることを意識してみてください。
直進の時は横幅だけを意識すれば大丈夫です。
次第に人馬一体(人車一体)の状態に近づいていきます。そうなればもう元には戻れないほどに左に寄っていくことはなくなります。
実際には、遠くを見ていても、ダッシュボード※の造形が、周辺視野の中で無意識のうちに物差しとなって、道路のどのあたりを走っているのかがおおよそわかるようになってきます。
※熟練ドライバーでもおおよそしかわかっていないので安心してください。慣れるにつれて精度は上がっていきます。
決してダッシュボードに視線を移して車の幅を認識するという意味ではありません。ここは間違えないでください。最終的にはダッシュボードを意識しなくなります。周辺視野で認識している程度です。
※ダッシュボード:運転席前にあるメーターなどが埋め込まれているフロントウィンドウのすぐ下の左右の端から端まで広がる樹脂の部分
ちなみに、ダッシュボード上に運転席から見た車の左端となる辺りに目印を貼り付けて車幅を認識するというのがありますが、目的と手段ほど違うので念のため。レッスンではいくつかの理由により目印を付けることはありません。
オススメ!
運転に慣れているドライバーに同乗してもらう必要がありますが、長い直線が続く幹線道路の車線の真ん中を維持したまま(真ん中を走っているかどうかは助手席の人に指示してもらう)、目の前から遠くまで続く左右のわだち(下の写真の緑のベルト)の上を前タイヤが踏んでいることを意識しながらひたすら走ってください。ベルトは細い線ではなく幅があるのでおおよそで大丈夫です。真ん中からずれていくようなら、助手席の人にその都度指摘してもらいます。
個人差はありますが、1時間も走っていると、自車の前タイヤが道路のおおよそどのあたりを踏んで走っているのかが感覚的にわかるようになってきます。先行車がいれば、そのタイヤの軌跡の上を走っていることを意識するのも効果的です。
初心者の方は、運転席から感じる車の横幅は広く、目の前に続く道路の幅は狭く感じます。しかし実際は、上の写真の先行車と道幅を比べてみて見て分かるように、意外と道幅は広いです。そして、道路のどのあたりを走っているかがわかるようになれば、車幅感覚も徐々に身に付いていきます。最終的にはほぼすべての人が左に寄らなくなります。精度が上がると路面の凸凹や落とし物なども避けることができるようになります。是非試してみてください。
それから、左に寄っていくのとは少し違いますが、遠くを見て運転するのが怖い人、ハンドルがふらつく人はこちらでその原因と対策を紹介しています。今回の記事と関わるところもあるので、よろしければご覧ください。
最後に
初心者の人が、いきなり車という大きな箱の中に座って前方を眺めてみたとき、車内からはタイヤが見えないので、道路の左右どのあたりに車が位置しているのかよくわからないというのはよくあることです。
当然、右側もよくわからないので、対向車との衝突を恐れて必要以上に対向車との間隔を開けようとして左に寄りすぎることもあります。普通に走っているときに右に寄っていくこともあります。
ほとんどの場合、初心者の人が道路の真ん中を走ることができないのは、「非日常性」と「車両(車幅)感覚の欠如」に原因があります。車幅に関しては、車両感覚を身に付けるで紹介しています。よろしければご覧ください。
追記
この記事に対して、『当たり前のことを冗長に書いているだけ』とのご意見をいただきました。この点について、確かにそう感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、熟練ドライバーにとって当たり前の内容であっても、初心者にとっては新たな気づきや発見につながることもあります。上手くいかずに悩んでいる人が、ちょっとしたきっかけで大きく成長する場面を、これまで何度も目にしてきました。そのため、この記事では私自身が効果的だと考える内容を厳選して掲載しています。ただし、これは絶対的な正解ではなく、一つの参考としてご理解いただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ