損害保険会社の言うことを鵜呑みにしない
前回の事故の後日談となりますが、保険会社(任意保険)の言うことを鵜呑みにしないということで少しご紹介します。
被害者側に支払われる保険金には、一般的に、車両修理費・医療費・慰謝料・休業損害・車両修理期間の通院・通勤交通費などがあります。今回彼は被害者側となるので、相手(加害者側)が加入している保険会社との交渉となります。最初に相手の保険会社から電話が彼のもとに入りました。
通常、ケガを伴う事故では被害者が人身事故とするのか、物損事故とするのかを選択することができます。人身事故にすると、相手は違反点数などの行政処分を受けることになります。逆に言えば、ケガをしていても物損事故とすることもできるのです。
彼は、人身事故扱いにしましたが、最初、相手の保険会社から言われたことは、人身事故にしてもしなくても、過失割合にかかわらず、被害者が受けとる金額に差はありません。人身にするかどうかは、被害者の心情だけです。と言われました。これは加害者の加入している保険がそういう契約内容であり、こちらが弁護士を介さない限りではその通りでした。もちろん、人身事故扱いになれば、相手には違反点数が加算されます。
彼はクルマの損傷が激しかったので、保険で支払われる修理代金を現金で受け取り、新たにクルマを買い替えることにしました。それも問題ありませんでした。
彼にとって一番問題だったのは、通勤のために公共機関を使うには不便な所に住んでいたので、通勤には代車かタクシーを使用しないと職場に行けないことでした。
当初相手の保険会社からは、代車もタクシー通勤も規定では認められていないと言われたました。ネットで調べてみると条件によっては認められると書いてあり、弁護士の無料相談で確認したところ、それは正当な権利として主張できると言われ、相手の保険会社に弁護士の話をもとに直接交渉したところ、一定の期間という条件付きでタクシー通勤が認められました。
加害者側の保険会社はできるだけ支払いを少なくしたいのはよくわかります。しかし、我々のような素人は、保険会社の言うことが本当に妥当なのかさっぱりかわかりません。
彼の入っていた保険には、弁護士費用特約が付いていたので、結局彼はすべての交渉を弁護士に依頼することにしました。それもネットで調べて分かったことでした。
私もネットで調べてみましたが、大切なのは、自分が被害者となり、体に損傷を受けた時には人身事故扱いにすること、自分の保険には弁護士費用特約を付けることです。人身事故にするのは相手を懲らしめるためではなく、自分の為です。万が一相手が任意保険未加入の場合には、賠償自体を全く受けられない可能性も出てきます。あるいは相手の任意保険の内容によっては十分な補償が受けられないこともあります。
人身事故扱いにすると、少し面倒ですが後日警察の現場検証があり、事故現場に出向く必要があります。また、診断書や車検証などの写しを警察署まで持参する手間がかかります。警察はなぜか人身事故にしたがらないような感じがしました。現場検証などの手間がかかるからでしょうか。しかし、弁護士に依頼するほどの事故の場合、後々の保障を考えると、人身事故扱いにすることをお勧めします。
私も、サラリーマンのころは安全運転管理者として社員の事故対応に携わり、人身事故の対応もしたことがありますが、弁護士案件になったのは1件だけでした。結論が出ないまま私は退職してしまいましたのでその後の経緯はわかりませんが、なかなか難航していた案件でした。
いつ自分が被害者になるともわかりません。いったん事故を起こせば、クルマはすぐには直りません。体だってすぐには治りません。仕事への復帰だって同じことです。それを埋め合わせるのは、いやらしいようですが、結局お金です。変に妥協する必要はないと思います。
もし、あなたが今後同じような状況なったら、微力ながらお力になれるかもしれません。そんな時は遠慮なくお問い合わせください。
ちなみに、以上は任意保険のお話です。強制的な保険は自賠責保険と言いますが、この自賠責保険はいざという時の最小限の補償です。一般人にとっては全く不十分な内容です。任意保険は任意とは言うものの、必須の保険です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
岐阜・愛知 運転初心者・ペーパードライバー出張講習 Reリーフ